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やられたらやり返せ!「付加金請求」で残業代の倍返しだ!のアイキャッチ

やられたらやり返せ!「付加金請求」で残業代の倍返しだ!

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今日も残業…明日も残業…、永遠に続く残業地獄…。
いくら働けど、残業代が全く出ない!!どうなってるんだ!?

こんな空しいことはないですよね…。
こんなに腹立だしいことはないですよね…。

やられた分はやり返したくありませんか?
この空しく腹立だしい思いも込めた残業代の倍返しをしたくありませんか?

 実は、残業代にも倍返しする方法があります。その方法が「付加金請求」というものです。
今回は、そのことについて説明していきます。

付加金とは

 「付加金請求」という言葉はあまり聞き慣れないかと思います。訴訟(裁判所に訴えて、権利・義務の法律的確定を求めること)で残業代を請求する場合、残業代に加えて「付加金」という金銭の支払いも請求出来る場合があります。

 付加金については、労働基準法で以下のように規定されています。

裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第7項の規定による賃金をしはらわなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定のよる使用者は支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払いを命じることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から2年以内にしなければならない。(労働基準法第114条)

 このことから、残業代請求額は付加金が加わることによって2倍になる可能性があることを意味します。この付加金には、サービス残業をさせた会社に対するペナルティーという意味合いがあります。

 ペナルティーは悪さの度合いに応じて課せられるものですから、サービス残業の悪さの度合いに応じて、裁判所が付加金の支払いを命じるかどうか判断します。そのため、絶対に付加金が発生するとは言い難い側面もあります。

付加金が承認される場合

 では、どのような場合に付加金が認められているかというと、以下の場合です。

・解雇予告手当の未払い(労働基準法20条)
・使用者の責に帰すべき休業の場合(会社の都合で休業しなければならなくなった場合)の休業手当の未払い(労働基準法26条)
・割増賃金の未払い(労働基準法37条)
・年次有給休暇有給休暇中の賃金の未払い(労働基準法39条)

 また、この付加金は違反のあった時から2年以内に請求しなければならないとされています。これを、除斥(じょせき)期間といいます

・除斥期間とは
法律関係を速やかに確定させるため、一定期間の経過によって権利を消滅させる制度

 この除斥期間は、時効のように中断がなく、違反があった時から2年が経過すると請求出来なくなってしまうのがポイントです。

→残業代の時効中断についてはこちらで詳しく説明しています。

労働裁判においての付加金請求

 付加金請求には除斥期間の他にもポイントがあります。残業代請求をするためには裁判所を通して労働審判の手続をするのですが、その時に付加金も請求出来るかどうかということがポイントになってきます。

・労働審判とは
裁判所の行う紛争解決手続の一つです。解雇や残業代請求などの労働紛争について、裁判官1名と労働関係の専門的知識と経験を持っている労働審判員2名で構成される労働審判委員会が、原則として3回以内の期日で事件を審理し、調停を試み、または審判を行う制度です。簡単に言えば3回以内の期日で、両当事者から直接、自由に事情を聞いて、和解(金銭的解決)を目指す手続きです。

 上記の労働審判の説明を読んで気づいていただけましたでしょうか?付加金の支払いを命じることが出来るのは裁判所ですが、労働審判で決定を下すのは労働審判委員会だということです。

 ということは、労働審判では付加金請求が出来ないのでは?という疑問が出てきます。
そのうえ、付加金請求には除斥期間があり、時効のように中断が出来ないので裁判が長引けば付加金請求自体が出来なくなってしまう可性もあります。

 しかし、この点においては裁判官によって判断基準が異なります。

 「裁判所は、その違反の理由や程度等を総合的に考慮して、支払いを命じるか否か、支払いを命じる場合にはいくらの金額の支払いを命じるかを決定すべき」
と、付加金の支払いを命じることに消極的な裁判官もいれば

 「支払いを命ずることは不相当であるとして支払いを命じないことが出来るが、特別の事情が認められない限り、未払い金と同額の支払いを命じるべき」
と、支払いを命じることに積極的な裁判官もいます。

 要は、付加金の支払いを命じるか否かは裁判官次第なので、労働審判で残業代の請求をする場合には、付加金も同時に請求しておいた方がよいでしょう。

残業代請求の準備について

 付加金の請求をするためには、まず残業代の請求が必要であり、残業代の請求をするためには自分で準備をする必要があります。詳しく説明した記事があるので、こちらもご確認ください。

→残業代請求のために在籍中に出来る3つの準備

付加金請求が認められたケース

 ここで、実際に付加金請求が認められたケースを紹介します。こちらを見ると未払い額と同額の付加金が認められ、残業代請求額が2倍になる場合や、一部だけ認められる場合など様々なケースがあることが分かります。

①未払い金と同額の支払いを認めたケース

【平成25年2月28日東京地裁判決にて】
「裁判所は、諸般の(色々な)事情を考慮して、付加金の支払いを命じることが不相当であるとして、支払いを命じないことができるが、支払いを命じる場合には、特別の事情が認められない限り、未払い金と同額の支払いを命じるである」

として上で、

「会社は合理的な理由もなく割増賃金を一切支払っていないのであるから付加金の支払いを命じることが不相当である場合にも当たらないし、付加金の額を減額すべき特別の事情もない」

として、未払い額と同額の付加金の支払いを命じました。

②一部について付加金に支払いを認めたケース

【平成21年12月25日東京地裁判決にて】
「裁判所は法律違反の理由や程度などを総合的に考慮して、支払いを命じるかどうが、支払いを命じる場合には、いくらの金額の支払いを命じるかを決定すべきである」

とした上で

「支払い義務の有無について争ってきた会社の態度(注 管理監督者に当たるという主張や、超過勤務手当の基礎となる金額に含めるべき手当の範囲について争ってきました)がことさらに悪質なものであったとは認められない」

として、未払い額の30%の限度で付加金の支払いを命じています。

弁護士に付加金請求について相談する

このように付加金請求が認められるケースは多々あります。もし、これを見て付加金を含めた残業代の請求を考えているなら、まず法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士なら残業代の計算から請求の手続まで、その人にあった的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

 また、すでに述べたように、付加金には除斥期間があるので早めに行動することをお勧めします。

まとめ

 付加金請求が認められれば残業代の倍返しは不可能ではありません。もし未払いの残業代がありそうな方は、付加金のことも踏まえて残業代の請求を考えてみてもいいかもしれません。

そのためには、まず自分がどれくらいの残業をしていて、どれだけの残業代が発生しているのか把握した方がよいです。こちらで、そのことについて説明しているのでぜひご覧になってください。

→未払い残業代の計算方法。アナタの残業代を計算してみよう

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