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残業代請求のために在籍中に出来る3つの準備のアイキャッチ

残業代請求のために在籍中に出来る3つの準備

残業代請求のために在籍中に出来る3つの準備のアイキャッチ

最近、サービス残業が問題になっており、そのことによって「残業代も出ないのに仕事ばっかりの生活で疲れた。」「安い給料で毎日、朝から晩まで働いているのに残業代出なくてやってられない」といった理由で仕事を退職しようと考えている人も多いかと思います。

確かに、残業代も出ないのに残業をさせられる毎日は嫌ですよね。辞めようと思っている人は辞める前に、そのサービス残業代を請求したくないですか?
サービス残業代は、準備さえ整っていれば請求することができます。しかも、その準備は在籍中からの方が準備しやすいのです。

そこで、今回は『在籍中からできる残業代請求の準備3つについて説明していきます。』

⒈ 証拠集め

まず、残業代の請求で最も必要なものは証拠集めです。なぜなら、残業代を請求する際の立証責任が請求者にあるからです。
立証責任とは、確固たる証拠で立証をする責任のことです。残業代請求に限らず何かを請求する時はすべて同様です。

そのため、証拠集めには後で説明しますが、様々な書類などが必要となり退職後にやろうと思ってもなかなか難しいです。
在籍中にやっておけば、社内に在籍している分、スムーズにこれらの書類は集めることができます。
では、実際にどのようなものが証拠になるのかを説明していきます。以下の4点が主に証拠となります。

⑴ 雇用時の書面

労働者を雇用する際には、労働基準法施行規則第5条が定められた書面を交付しなければいけません。
労働基準法施行規則第5条には労働条件について、労働者に伝えておかなければいけない項目を定めています。
それには以下の項目があります。

  • 労働する契約期間に関すること
  • 労働する場所や仕事内容に関すること
  • 労働する時間(始業・終業の時間)や、あらかじめ決められた1日の労働時間を超えての労働が出来るか否か、休憩時間、休日、休暇に関すること
  • 退職や解雇に関すること
  • 退職手当が出る労働者の条件、退職手当の決定や計算方法、支払いの方法、支払い時期に関すること
  • 退職手当てを除いた臨時に支払われる賃金、賞与に関すること
  • 労働者に負担させるべき食事、作業用品に関すること
  • 安全や衛生に関すること
  • 職業訓練に関すること
  • 災害補償や業務外に起きた傷病扶助(怪我や病気に対して協力して助けること)に関すること
  • 表彰や制裁に関すること
  • 休職に関すること

これらが記載されるのが「雇用通知書」のような一方的に交付されるものや、「雇用契約書」や「労働契約書」など、会社と労働者の間で契約するものです。

そのため、これらには給与の計算方法や残業代支給についての取り決めが記載されているので、有力な証拠になります。交付された場合は捨てずに保管しておく方が良いです。

⑵ 就業規則のコピー

『就業規則』とは、会社が労働者に定めた労働のルールです。労働基準法では、会社はこれを労働者へ周知する義務があります。
就業規則には、就業時間、休日、時間外労働の有無、割増賃金の計算方法など、未払い残業代を請求するためには必要な情報が多く含まれているので、そのコピーは有力な証拠になります。

⑶ 始業時間と終業時間を証明できる資料

残業代を請求するためには、労働者が実際の労働時間を証明する必要があります。そのため、実際の労働時間の証拠となる始業・終業時間を証明できる資料は必須になってきます。
具体的には以下のものがあります。

タイムカード、勤怠記録、日報

労働時間を管理するタイムカードや勤怠記録、日報などのツールは労働時間を算出する証拠としては有効です。
しかし、定時にタイムカードを押させて残業させるサービス残業などもあることから、そもそもとして会社が労働者の労働時間を管理できていないケースも多いので、これらのツールだけでは証拠不十分になる可能性があります。

パソコンのログ

パソコンを使う仕事をしている人はパソコンのログも有力な証拠になります。何時にパソコンを立ち上げ、何時まで稼働させていたかが分かるからです。
しかし、パソコンを切らずに帰宅してしまっている場合はずっと稼働していることになってしまい証拠としては弱いので、そこは注意が必要です。

日記などの備忘録

もし、日々の日記や備忘録などに、業務内容や始業・終業時間の記載があれば、それも労働時間算出の証拠になり得ます。
また、仕事が終わった時に、業務内容や退社時間を個人のメールアドレスに送信し、日々の退勤記録として記録しておく方法も証拠になり得ます。

業務で使用しているメールアカウントの送受信記録履歴

メールは送受信する度に、その時間が記録されます。そのことからメール送信時刻が、その時間まで労働していたことを証明できるものとなるので、証拠として有力です。

帰宅時のタクシー領収書

終電がなく、タクシーで帰宅した場合は会計時に領収書をもらっておけば、ほとんどのタクシー会社の領収書は乗車時間帯が記載されているので、これも有力な証拠になります。

残業アプリ

最近では、残業専用のアプリも登場しています。GPSをONにして位置情報を記録することで、残業代の推計と証拠の確保することができます。

上記のものが証拠として揃わない場合は、もし裁判を起こしたとしても請求が認められない可能性が高いです。

⑷ 残業中の業務内容を証明できる資料

退勤時間を証明できたとしても会社から反論される可能性があります。「勝手に残ってたんでしょ?」「その時間まで、ただ居ただけで何もしてなかったんじゃないの?」などと言われてしまうかもしれません。

そうなった時のことも踏まえて、労働者側でも残業時間中にちゃんと仕事をしていたことを証明できる資料を持っておいた方が良いです。
以下のものは、それを証明できる資料と言えますので証拠として有効です。

残業指示書や残業承諾書

上司などからの残業指示書や指示メール、指示をメモした紙、上司が残業を承認したことが分かる書面などは証拠になります。
これらは、上司が残業の指示を出した事が分かるものだからです。

残業時間中の業務内容が分かる書面

残業時間中に送信した業務用メールの履歴や、業務日報などの残業中の業務内容が明記されているもの、上司が残業を認識していることが分かる資料などは証拠になります。
これらは、残業時間中にちゃんと仕事をしていたことを示す明確な証拠になるからです。

2.社内に味方をつくっておく

証拠集めは最も重要なことではありますが、それとは別に社内に味方をつくっておくことも在籍中に出来る準備であります。
味方をつくっておいた方がよい理由として、労働審判(労働者と事業主との間で起きた労働問題を迅速かつ適正な解決をするための裁判所の手続き)になった時、陳述書の作成に協力してもらえる社内の同僚などがいたらとても有利になるからです。

陳述書とは、問題に対して本人が経験したり知っていたりする事実を時系列に沿って記載してある書面のことを言います。本人の言い分を、裁判所や会社側が理解・把握するために用いられます。
もちろん、同僚の社内的立場もあるので協力してもらうことは簡単ではありませんが、逆を言えば、そのような味方をつくることが出来れば、労働審判の手続きは優位に働きます。

3.生活費を確保しておく

次の新しい勤務先が決まっていて、収入に困ることがないなら問題ないですが、そうでない場合もあり得るので、生活費をいつも以上に確保しておくことは意外と重要です。

それに加え、会社側が請求通りにすぐ残業代の支払いに応じれば良いのですが、そうならない場合は、裁判所に労働審判の申し立てをしなければいけない状況になります。
そうなると、請求が認められるまでに約2~3か月かかることが多いです。もし、そうなった時も踏まえて、生活費を確保しておくことは重要です。

残業代請求の時効は2年

在籍中の方が準備はしやすいと説明してきましたが、その他にも理由があり、それは残業代請求には2年という時効があることです。
2年の時効を過ぎてしまった期間の残業代は請求することができなくなってしまいます。
そのため、準備を退職してからやろうと思っても、準備している間に時効が過ぎてしまうという場合が出てきます。
このことは念頭に入れておいた方が良いです。

→時効2年についての詳しいことはこちら

弁護士が準備の相談に乗ってくれる

残業代請求の在籍中のうちにしておいた方が良い準備について説明してきましたが、人それぞれ事情が異なるので、具体的な対策や準備も異なってきます。
そのため、準備をする際はまず法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士ならその人にあった対策や準備について的確にアドバイスをしてくれます。

まとめ

いかがでしたか?在籍中のうちに残業代請求の準備をしておいた方が良いことが伝わりましたでしょうか。参考になって頂けたら幸いです。

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編集部

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