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不払い残業は歴とした労働基準法違反:4つの対策方法を紹介

更新日:2019年11月19日
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某大手配送業者等、未払い残業が問題のニュースが増加しており、あらゆる会社でサービス残業が行われていることを実感している方は多いのではないでしょうか。
サービス残業は、別称「不払い残業」と呼ばれています。

 この記事では、「不払い残業」にスポットを当ててお伝えいたします。

残業代が発生する仕組み

 不払い残業に触れるまえに、まず残業代が発生する仕組みについてお伝えいたします。

 労働基準法32条では、「法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働をさせた場合、会社か労働者に割増賃金を支払わなければならない」という内容の規定があります。
その内の、割増賃金が残業代に該当します。

不払い残業は労働基準法違反

 前述のように、法律で定められているにも関わらず、役職手当を支払っている等の理由で、
残業代を支払わないケースが後を絶ちません。
 不払い残業は労働基準法違反です。労働基準法第119条では、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が定められています。

不払い残業が蔓延する原因

 違法にも関わらず、なぜ不払い残業は広がったのでしょうか。
 日本労働組合総連合会が、2015年に20~59歳の労働者を対象に行ったインターネット調査によると、『4割強が「不払い残業をせざるを得ないことがある」と回答し、その平均時間は一般社員で月18.6時間にのぼる』(『https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/fubarai/』)という結果が出ています。

この結果により、残業代を申請しづらい雰囲気だったり、残業手当の上限が決められていて超えた分はカットされたり等、不払い残業を強制・容認する企業側の体質が背景にあると考えられます。

不払い残業をさせる会社の割合

 日経ビジネスの調査結果(2016年10月20日の記事)によると、サービス残業をしている人の割合は6割を超えるという内容が報告されています。多くの従業員が、会社から不払い残業をさせられている実態が浮き彫りになっています。

 不払い残業は、人件費の削減になり、会社側にとっては好都合です。しかし、労働者にとっての不払い残業は、労働時間が賃金に反映されない”タダ働き”です。非常に由々しき問題と言えるでしょう。

労働基準の基準

 不払い残業による”タダ働き”は、労働基準法の観点から見ても違法ですので、労働者は放置せずに何かしらの対策を講じることをオススメします。
 ですが、対策をするまえに、まずは不払い残業に該当する時間が労働時間であるかどうかを確認しなければなりません。

 過去の判例によると、労働時間の基準は「会社の指揮命令下に置かれた時間であるかどうか」とされています。
 判例で認められている、”会社の指揮命令下に置かれた時間”についてはこちらの記事「労働時間の定義を知って違法残業を見抜こう」、で詳しく説明しているので併せてご覧ください。なお、休憩時間中の来客当番や電話番、所定労働時間外の教育訓練、着替え時間、仮眠時間等も労働時間に認定されています。

対策方法

 不払い残業に該当する時間が、労働時間に当たることが確認出来たら、以下の対策の中から、自身にあったものを選び、解決に向けて動いていきましょう。

【対策①】残業拒否

 労働基準法では、「残業をしても残業代が支払われていない場合、残業を断ることが出来る」という内容の規定があります。そう、労働者には残業を拒否する権利があるのです。
 ”タダ働き”を避けるために、残業拒否を行ってみましょう。

【対策②】辞職する

 不払い残業が横行している環境からすぐにでも離れたい場合、最短で2週間後に会社を辞めることが出来ます。
 これは、民法627条第1項で定められている「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し出をすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する」が根拠になっています。

 ですので、退職を申し出てから2週間が経過すると、仮に会社が認めなかったとしても、退職の効力が発生し、会社を辞めることが可能なのです。

【対策③】不払い分を請求する

 不払い残業で不当な扱いに耐えられなくなるまえに、不払い分の残業代を検討することも良案です。
 不払い残業代を請求するためには、残業をした証拠が必要です。これは立証責任(確実な証拠で証明する責任)が請求者にあるためです。

 残業をした証拠になるものについては、こちらの記事「未払い残業代請求は「証拠集め」が肝心:証拠がない場合の請求方法も紹介」で詳しく説明をしてします。

残業の証拠になるものを集めたら、次いではこちらの記事「会社と荒波を立てずに残業代を請求する方法」を読んでみてください。残業代請求に向けてするべきことが理解出来るでしょう。

【対策④】労働基準監督署に相談

 対策①~③は少々勇気のいる行為ですので、声を上げるのが難しいと考える方もいるかもしれません。そのような方の打開策として挙げられるのが、労働基準監督署への相談です。
 労働基準監督署に相談をすると、会社に対し、不払い残業に関する是正勧告をしてくれる場合があります。それにより、労働環境の良化が期待されます。

 なお、労働基準監督署に相談した事実が会社に知られてしまうと、相談者本人が降格や減給等、不利益を被るのではないかと心配する方も少なくないでしょう。しかし、労働基準監督署に相談したことを理由に、会社は、労働者が不利益を被るような扱いをしてはならない、とされています。

まとめ

 働いた時間分の賃金を貰うことは、労働者にとって当然の権利です。しかし、その権利を奪われている不払い残業が増えているのが現代の社会です。この由々しき現状を変えるためには、労働者1人ひとりが、権利を主張することが大切と言えるのではないでしょうか。

 本記事で紹介した対策によって、少しでも不払い残業が減少し、労働者にとってよい労働環境に改善されたら幸いです。

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残業代請求弁護士ガイド 編集部

残業代請求に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 ぜひ残業代請求の参考にしてみてください。 悩んでいる方は一度弁護士に直接相談することをおすすめします。 今後も残業代請求に関する情報を発信して参ります。

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