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【弁護士監修】労働基準監督署に匿名で相談することはズバリ可能!

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

2018年10月23日 公開
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残業代の未払い等の労働問題を労働基準監督署に相談をする際、会社に相談をした事実がバレるのではないかと危惧する方は多いのではないでしょうか。
 そこで、本記事ではバレないように労働基準監督に匿名で相談が出来るかどうかについてお伝えしたいと思います。

匿名で相談は可能

 労働基準監督署に匿名で相談することは可能です。相談方法は、「メール」「電話」「直接訪問」の3つがあります。相談をすれば適切なアドバイスをもらえる可能性があります。

労働基準監督署と申告

 但し、相談だけでは労働基準監督署は動きません。「会社に対して適切な指導をしてほしい」等といった要望がある場合は、申告する必要があります。
 労働基準法104条では「事業所(会社)に違反する事実がある場合、労働者はその事実を労働基準監督署に申告することが出来る」と規定されています。

 申告用紙には申告者の氏名・住所を記入しなければならないため、匿名で申告することは出来ません。

労働基準監督署には守秘義務がある

 ですが、実名で申告をしたとしても労働基準監督署には守秘義務があります。
会社には「誰が告発をしたのか」が分からないように調査をします。たとえ、労働基準監督署が会社に「誰からの告発なんだ?」と問われたとしても公表することはありません。

バレる場合もある

 とはいえ、次のような場合は誰が申告をしたのか会社にバレる可能性が考えられます。

・会社の規模が小さく告発者が予測されてしまう
・労働基準監督署に提供したデータから「あの人しか知らない」と会社に勘づかれる

 バレたくないにも関わらず、上記のケースに該当するケースが考えられる場合は申告は避けた方がよいかもしれません。

申告以外に労働基準監督署に知らせる方法

 そのような方には、申告以外で以下の2つの方法で労働問題の事実を労働基準監督署に知られる方法があります。

【方法①】調査票送付の依頼

 調査票を会社に送付をするように、匿名で労働基準監督署に依頼する方法があります。
 調査票とは、各会社に労働時間や賃金等を報告させて労働環境に問題がないかどうかを調べ上げる書類のことを指します。通常は、労働基準監督署が管轄する会社に調査票をランダムに送付しています。

【方法②】情報提供

 情報提供も一案に挙げられます。
ここで言う情報提供とは、会社を管轄している労働基準監督署に対して、経過や事情が詳しく記載された資料等を提供する方法を指します。
明らかな労働基準法違反であるという判断が下れば、労働基準監督署が動く可能性があります。

サービス残業を匿名で告発する手順

 では、本記事では残業代未払いを匿名で告発する方法についてお知らせいたします。

・告発とは
労働問題等がある事実を客観的に分かる証拠を揃えた上で申告をすることをいいます。

【手順①】サービス残業の証拠を集める

 従業員にサービス残業をさせている会社を告発するためは次のような証拠が有効になります。

【残業時間の証拠】
■タイムカード・業務日報
■パソコンのログ
■出社、退社を記録した手帳やメモ
■日報・週報

【手順②】未払いの賃金を計算する

 サービス残業がある事実が客観的に分かる証拠を集めたら、未払いの賃金を計算します。本来、支払われるべき残業代を計算しておくことで残業代請求等の際にも利用出来ます。

未払い賃金={サービス残業時間×1時間あたりの賃金(時給)×割増率}-支給されている残業代

【手順③】労働基準監督署に調査票を送付してもらう

 証拠を揃え未払い賃金額の確認が出来たら、労働基準監督署にその事実を報告しましょう。そして、会社に調査票を送付してもらうように依頼します。

 以上がサービス残業を匿名で告発する手順になります。

終わりに

 「会社にバレて解雇や降格に遭うのではないか」と不安になる方もいるかもしれません。しかし、労働者が監督機関に相談・通報したことを理由に、会社が労働者を処分することは法律で禁止されています。

 ですので、労働問題に苦しんでいる方は、勇気を持って一歩踏み込み労働基準監督署に匿名で相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
 その行動が、あなたが働く会社の労働環境を良化するかもしれません。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

日々の生活においてお仕事の中でおきる、残業代の未払いの問題は、近年ご相談が増えている分野であり、当事務所でも多くのご相談をいただいております。 ここで知っておきたいことは、残業代の請求ができるのは、支払うべき日から2年後までが請求の対象となっている...

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