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トラブル回避!雇用契約書でチェックするべき4つのポイント

更新日:2018年12月29日
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 労働者にとっては、就職が決まった後になって「雇用契約の内容が、面接の時と違う」等と矛盾が生じることは避けたいもの。時には、その矛盾がトラブルの原因になることがあります。
しかし、雇用契約書をしっかりチェックすることでトラブルは防げるのです。

 本記事では、雇用契約書でチェックすべき4つのポイントについてご説明させていただきます。

雇用契約書とは

 雇用契約書とは、労働者と会社の間で、労働条件を明示するために交わす書類のことです。それは、正社員だけではなく、パート・アルバイト契約の際も、雇用契約書を交わさなければなりません。

 この雇用契約書には、勤務時間や給与、休日等、細かい労働条件について書かれています。また、労働者と会社が互いに署名捺印をしなければなりません。雇用契約書に署名捺印があることによって、両者の意思確認が保証されることになります。この保証は、例えば未払い残業代等の労働問題が起こった時に、有力な証拠となるのです。

雇用契約書に明記する内容は定められている

 雇用契約書には、労働基準法施行規則第五条によって明記すべき内容が定められています。その定めは以下の通りです。

1:労働契約の期間に関する事項
1-2:期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
1-3:就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
2:始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における終業時転換に関する事項
3:賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
4:退職に関する事項(解雇の事由を含む)
4-2:退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
5:臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び最低賃金額に関する事項
6:労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
7:安全及び衛生に関する事項
8:職業訓練に関する事項
9:災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
10:表彰及び制裁に関する事項
11:休職に関する事項

これらの中で、明記が義務づけられている項目が1~5です。6~11については、項目に該当する制度が会社で設けられている場合、明記する必要があります。

つまり、雇用契約書に明記されている内容は主に1~5です。これらの中に、トラブルになりやすいポイントがいくつかあります。それらを中心にチェックすることで衝突を未然に防ぐことが出来ます。

雇用契約書でチェックすべきポイント

 雇用契約書でチェックすべきポイントは以下の4つです。

➀みなし残業代を採用しているかどうか

 まず、トラブルになりやすいのが残業代についてです。特に、みなし残業代制を採用している場合は、しっかりチェックをしてください。

“みなし残業代制"とは、実際の残業時間に関わらず、あらかじめ一定の残業代を支払うという制度のことをいいます。つまり、沢山残業をしようが少なかろうが、支払われる給与は変わりません。そのため、時間で賃金を決めることが馴染まないコンサルタントや研究者、システムエンジニア等に、みなし残業代制を採用することが多いです。

例えば、「基本給25万円(うち5万円はみなし残業代とする)」というような文言が、みなし残業代制の場合は明記されています。このように「基本給〇円、残業代〇円」と明 確な記載があれば問題はないのですが、以下のような書き方をされている場合は注意が必要です。

➀月給30万円(みなし残業時間手当40時間含む)
②月給25万円(一律残業手当含む)

 ➀は残業代がいくらなのかが明記されていません。また、②に至っては残業代の時間も金額も書かれていないのです。

つまり、みなし残業代制は、労働基準法施行規則第五条で、雇用契約書に明確な記載をしておく必要があります。もし、明確な記載がない場合は、不当なサービス残業をさせられる可能性が考えられます。

→みなし残業代制については、こちらで詳しく説明しています。

②休日について

 休日についてもチェックをしておいた方がよいです。特に、以下の2点は注意しましょう。

週単位の休日

 変形週休性(休日を1ヶ月単位で考える制度)等を除いて、労働基準法第35条においては原則「労働者に毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」という規定があります。
 そのため、雇用契約書に「週休2日」等の明記があれば問題はありませんが、週休1日未満もしくは休日についての記載がないのであれば、会社に確認をしましょう。

年次有給休暇

 年次有給休暇についても確認をしておいた方がよいです。これについては、労働基準法第39条で以下のような規定があります。

使用者(会社)は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

 つまり、6ヶ月以上継続して勤務をしたうえで、全労働日の8割以上出勤した場合は1年間に10日間の年次有給休暇が与えられるということです。
この条件を満たせば、年次有給休暇は必ず取得することが出来ます。年次有給休暇について記載がない場合は会社に確かめてみてください。

③業務内容

 求人や面接時と違う業務内容で雇用契約書を交わしてしまうケースもあります。

例えば、会社が一般事務職を募集したいとします。しかし、「応募が集まりやすい」という理由だけで、表面的な嘘で人事・総務部の求人を出したとしましょう。これで、面接に来た応募者を人事・総務部として採用し、入社後、本人の了承なく一般事務職として働かせた場合、職業安定法第42条において違反行為となります。

このようなケースがあることも考えて、雇用契約書の業務内容をチェックすることで問題を未然に防ぎましょう。

 一方、嘘の求人ではなく、実際に人事・総務職の人手が埋まってしまい、面接で「一般事務職で勤務して欲しい」と会社から打診があることがあります。この場合は、面接で一般事務職での入社確認をしっかり行っているため、問題はありません。

④契約更新の有無

 契約更新の有無に関してもトラブルが発生することがあります。これは契約社員やパート・アルバイト等の非正規労働者についての問題です。
 契約更新に有無についての判断基準を設けていない雇用契約書もあります。その場合は要注意です。契約更新について問題が起きた際、判断基準がないためトラブルが起こる可能性があります。

一方で、「契約期間において出勤率80%以上であること」「会社の指示・指導を忠実に遵守し、会社の規律・秩序を乱さないこと」等、判断基準が明記されているようであれば問題はないでしょう。

「雇用契約書」と「労働条件通知書」の違い

書類のチェック

 ここまで雇用契約書でチェックすべきポイントについてご説明させていただきました。なお、「雇用契約書」と混同しやすい、「労働条件通知書」というものもあります。

 “労働条件通知書"とは、雇用主と使用者との間で労働条件を明確にした文書です。労働条件通知書に書かれている内容は、雇用契約書とほぼ同じですが、以下の2点が大きな違いになります。

・雇用契約書は労働者と会社で署名捺印を取り交わすが、労働条件通知書にはそれがない。
・雇用契約書は労働者と会社の同意のもと交わすが、労働条件通知書は会社側が一方的に交付する

 また、雇用契約書と労働条件通知書どちらの交付でも、労働条件の明示義務を果たすことが出来ます。しかし、労働条件通知書は署名捺印がないため、万が一労働問題が起きた時に保証が利きません。

 そのため、会社からの交付が労働条件通知書のみで不安な方は、雇用契約書の作成をお願いしてみましょう。

雇用契約書がない会社の場合

 雇用契約書や労働条件通知書を取り交わす会社が多い一方で、中小企業では、まれにそれらを交付しないことがあります。このような会社は、体制が整っていない等の事情があるかもしれません。

 雇用契約書や労働条件通知書を交付しない会社に就職をする場合は、入社前の話と相違が生じることがあるということは念頭に入れておいた方がよいでしょう。不安な方は、会社に雇用契約書の交付をお願いしてみてください。

まとめ

 労働条件が明示された雇用契約書は、労働問題を防ぐためのものでもあります。トラブルを未然に防ぐための「雇用契約書のチェックすべきポイント4つ」をお伝えさせていただきました。これらのポイントをチェックして引っ掛かる部分があれば、会社に相談してみましょう。

 明確な労働条件の明示をしてもらうことは労働者の権利です。そのため、会社側も答えてくれるでしょう。そして、その請願が受け入れられないようであれば、その会社は危ないかもしれません。

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