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結論、労働基準監督署への相談は電話より窓口がベター

更新日:2024年02月13日
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労働基準監督署に相談する際は、「窓口」「電話」「メール」の3つの方法があります。その中で、どこからでも相談が出来る「電話」を選択する方は多いのではないでしょうか。
本記事では、労働基準監督署への電話相談についてお伝えしたいと思います。

電話で「相談出来る内容」と「相談出来ない内容」

 労働基準監督署に電話相談をするまえに、一点だけ気をつけなければならないことがあります。それは、「相談出来る内容」と「相談出来ない内容」があるということです。その境は「労働基準法に触れている内容かどうか」になります。

相談出来る内容

「相談出来る内容」の例は下記が挙げられます。

■給与、残業代、休日・深夜手当等の賃金の未払い
■過剰な長時間残業
■安全への配慮に欠けた現場での作業
■実際の労働が雇用契約に記載されている内容と異なる
■勤務先の突然の倒産
■休日出勤の強要
■有給休暇が取得出来ない
■不当な解雇・懲戒処分

 上記の内容は、労働基準法違反になる可能性が考えられます。

相談出来ない内容

 一方で、以下の内容は労働基準法に触れていないので、労働基準監督署には電話相談が出来ない可能性があります。

■パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、モラルハラスメント等の嫌がらせ
■職場内の男女差別
■育児・介護休暇を取得出来ない

「相談出来ない内容」は労働局に相談出来る

 代わりに、「相談出来ない内容」は労働局で相談が可能です。
 労働局とは、会社と労働者との間に発生したトラブル全般に対して、助言をしたり解決に向けたきっかけを提供したりする機関です。
 「この内容は労働基準監督署に相談出来る内容かどうか判断出来ない」という場合は、まず労働局に相談してみるのがよいかもしれません。

電話相談に対する労働基準監督署の応じ方

 電話で相談をすると、労働基準監督署は次のような対応をとります。

アドバイスをくれる

 労働基準法で規定されている労働に対する正しい知識を教示してくれた上で、今後の対処方法等のアドバイスをもらえます。
 例えば、「あなたが抱える労働問題は、法律上〇〇の内容に触れています。なので、〇〇をしてみましょう。」といったようなアドバイスをもらえます。

解決に向けて動く

 労働基準監督署は解決に向けて動いてくれることもあります。具体的には、「立ち入り調査」「是正勧告」「逮捕」等を行います。

電話相談をしたら会社に連絡がいくとは限らない

 電話で相談をしたら、労働基準監督署が会社に連絡をしてしまうのではないか、と懸念する方は少なくないでしょう。
 しかし、労働基準監督署は安易に動くことはありません。というのも、労働基準監督署には電話だけでなく、メールや窓口からも多くの相談が寄せられます。1つひとつに相談に応じると捌き切れないため、信憑性の高いものや、人命に関わる等の緊急性の高いものに絞って対応をします。

 ですので、電話で相談をしたら会社に連絡がいくとは限らないのです。

動いてもらいたい場合は窓口相談

 会社に連絡がいくのを懸念する人がいる一方で、会社にコンタクトをとって対応をして欲しいという方もいるでしょう。
 実は、電話相談より対応してもらえる可能性が高い相談方法があります。

そう、窓口相談です。相談者側からするとハードルが高いと思われがちですが、わざわざ労働基準監督署に行って相談員と顔を合わせる窓口相談は、会わずに手軽に行える電話相談に比べて信憑性が高くなります。

ですので、対応してほしいのであれば窓口相談がオススメです。

会社の所在地を管轄する労働基準監督署に電話する

 さて、電話で相談をする場合、どこの労働基準監督署に電話をすればよいのでしょうか。
 労働基準監督署は全国に300ヶ所以上設置されています。労働者が電話で相談する場合、基本的には勤務する会社の所在地を管轄する労働基準監督署に連絡をしなければなりません。

 電話番号は、労働局が運営している労働基準監督署のホームぺージに掲載されています。

労働基準監督署に電話出来る時間帯

 電話出来る時間帯は、一律で平日の8:30~17:15です。日中に働くビジネスマンの場合、電話する機会が限られてしまうのが難点です。

労働基準監督署以外に相談出来る場所

 労働基準監督署以外にも相談出来る場所はあります。労働基準監督署に電話をするのが難しいという方等は次に挙げる機関に相談をするとよいでしょう。

労働条件相談ほっとライン

 労働条件相談ほっとラインとは、労働基準監督署等が閉庁している平日の夜間と土・日曜日に電話が出来る機関のことを呼びます。厚生労働者から委託された業者が運営しています。
 労働条件相談ほっとラインの電話受付時間は、平日の17:00~22:00と、土・日曜日の9:00~21:00です。

よりそいホットライン

 よりそいホットラインは、一般社団法人社会的包摂サポートセンターが国から補助金をもらうことによって運営が成り立っている機関です。24時間いつでも架電出来るのが特長です。
 「今すぐ相談にのってもらいたい」という方や、多忙な方に向いている機関と言えるでしょう。

東京都労働相談情報センター

 東京都労働相談情報センターとは、東京都が設置している労働行政機関のことをいいます。相談対象者は東京の会社で勤務する労働者に限られます。
 電話が出来る時間は、平日が9:00~20:00、土曜日が9:00~17:00(飯田橋に限る)です。労働基準監督署より受付時間が長いため、仕事で忙しいビジネスマンにオススメです。
 また、女性の相談員もいるため、セクハラで悩む女性労働者が相談しやすいと言えるでしょう。

労働問題に関する困りごとは弁護士へ相談を

電話相談をすると、労働基準監督署からアドバイスをもらえたり解決に向けて動いてくれたり等が期待できます。

とはいえ、労働基準監督署は信憑性のない情報では動きません。そこで頼りになるのが「弁護士」の存在です。

法律のプロである弁護士なら、個々の状況に合わせて相談に乗ってくれるだけでなく、労働上で起きやすいトラブルを未然に防いでくれます。

状況の悪化を防ぐためにも、労働トラブルに詳しい弁護士に相談するようにしましょう。

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