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その業務委託契約は雇用契約に該当するかも:両契約の違いを暴く

2018年08月28日 公開
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業務委託契約の方に「あなたは本当に業務委託契約ですか?」と問うと、イエスと答える方は多いと思います。無論、会社と業務委託契約書を交わしているため疑う余地はないでしょう。
 しかし、その働く実態は業務委託契約ではなく、雇用契約で働く社員等と同じになっているケースは少なくないのです。

 ともなれば、果たして雇用契約と業務委託契約には本来どのような違いがあるのでしょうか。今回は両契約の違いについてご説明させていただきます。

雇用契約とは

 雇用契約とは、「労働すること」と引き換えに報酬を与える契約のことを指します。
 正社員やパート、アルバイト、インターン等の呼称がつく労働者が雇用契約に該当します。
 雇用契約を結んだ場合、働く人は”労働者”となり労働基準法(労働者を保護する法律)が適用されます。そして、労災保険や雇用保険、社会保険の加入対象になります。

 雇用契約の場合、労使間(労働者と会社の間)で雇用契約書を結びます。雇用契約書では様々な条件が交わされ、労働者はそれを守る義務があります。例えば、労働時間や休日、賃金や残業代等の条件で交わされます。

業務委託契約とは

 業務委託契約とは、「仕事の処理を約束すること」と引き換えに報酬を与える契約のことをいいます。
 業務委託契約は、雇用契約のように”会社と労働者”という主従関係ではなく、”独立した事業者同士”の繋がりになります。そのため、労働基準法は適用されず労災保険等の加入対象にもなりません。

 業務委託契約の場合は業務委託契約書を結びます。業務委託契約書には業務の内容や受け渡し方法、金額等が明記されており、労働時間や休日等の条件は交わされません。

雇用契約と業務委託契約の違い

 ここからは雇用契約と業務委託契約書の具体的な違いを深掘りしていきます。以下の12項目に主な違いがあります。

項目 雇用契約 業務委託契約
①仕事の依頼や指示等の対しての拒否を出来るかどうか 原則拒否出来ない 拒否出来る
②勤務する時間や場所を指定・管理されるかどうか 指定・管理される 指定・管理されない
③労働を他の者が代行出来るかどうか 代行出来る 代行出来ない
④何に対して報酬が支払われるか 労働した時間 仕事の成果
⑤欠勤をしたら報酬が控除されるかどうか 控除される 控除されない(労働時間で報酬が決められていないため)
⑥残業をしたら残業手当がつくかどうか つく つかない(労働時間で報酬が決められていないため)
⑦有給休暇は取得出来るかどうか 取得出来る 取得出来ない
⑧源泉徴収されるかどうか 徴収される 徴収されない
⑨退職金制度・福利厚生制度の適用されるかどうか 適用される 適用されない
⑩報酬額は同様の業務に従事する者と比較してどうか ほぼ同等 同一ではない
⑪業務に使用する器具の費用負担はあるかどうか 会社所有のものを使用するため、本人の負担はなし 本人所有のものを使用するため、負担あり
⑫服装や身だしなみの指定をされるかどうか 指定される 指定されない

本来は上記の12項目を総合的に見て、雇用契約と業務委託契約のどちらになるかが判断がされます。

勤務の実態は雇用契約

 しかし、業務委託契約にも関わらずその勤務の実態は、雇用契約に該当するというケースがよく見られます。
 とりわけ、以下のような場合は業務委託契約ではなく雇用契約に該当する可能性が考えられます。

◇出社・退社時間が会社から決められている
◇会社に指示されて長時間の労働をさせられている
◇働き方が社員等と変わらない

働く実態が上記に雇用契約のような場合は、労働基準法が適用され残業代の支払い等が発生します。
もし、長時間の労働を強いられ、法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超える労働をしているようであれば未払いの残業代が生じている可能性は否定出来ません。
 未払い残業代を請求する方法は以下の記事をお読みになり、未払い残業代の請求を検討した方がよいでしょう。

まとめ

 現在、業務委託契約にも関わらず、会社で働く社員等と変わらない働き方をしている方は少なくありません。
 業務委託契約にも関わらず長時間の労働を課せられ、あまりに苦境な状態であれば未払い残業代の請求をしましょう。また、契約の見直しについて会社と話し合った方がよいかもしれません。

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