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法定休日とは?労働基準法上、2種類の法定休日に分かれる

更新日:2020年01月14日
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みなさんは法定休日のことをご存知でしょうか?おそらく、法定休日の概念が知らない方は少なくないのではないでしょうか。
実は、法定休日を把握していないと、残業代の支払いから免れられている可能性があります。

 そこで今回は、法定休日の定義についてお伝えしたいと思います。

法定休日とは

 法定休日については、労働基準法第35条で以下のように定められています。


①…使用者(会社)は、労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない
②…①は、4週間を通して4日以上の休日を与える使用者については適用しない

 つまり、法定休日とは、「①1週間に1日」、もしくは「②4週間に4日」与えられる休日のことをいいます。
 土日休みに方は、原則①を遵守することになります。シフト制等の変形休日制の場合は②が適用されます。
 いずれにせよ、会社は①②どちらか一方の法定休日を遵守しなければなりません。

 なお、②を採用する場合、4週間がするスタートする日(起算日)を就業規則等に明記しなければなりません。(労働基準法施行規則第12条)

法定休日と法定外休日

 ただ、多くの労働者には法定休日以外の休日も設けられています。その休日のことを法定外休日といいます。
 週休2日制の会社であれば、2日の休日のうち、いずれかが法定外休日になります。4週8休制の会社であれば、8日の休日のうち4日が法定外休日になります。

休日の算定

 休日の算定は判例(昭和23年4月5日基発535号)により原則、午前0時から午後12時の丸1日とされています。そのため、暦日で行うのが原則なのです。

法定休日を特定する必要性

 さて、冒頭でも触れましたが、なぜ法定休日を把握しないと、残業代の支払いから免れられているのでしょうか。それは、法定休日出勤と法定外休日出勤では賃金の割増率が異なるためです。
 法定休日出勤の場合は35%割増された賃金を支払わなければなりません。対して、法定外休日の労働に対しては、割増不要、もしくは25%割増賃金になります。

このように割増率が異なるため、週休2日を採用している会社等では、2日の休みのうちどちらが法定休日なのかを明確にしておく必要性があるのです。

行政当局は、週の中で後ろの休日を法定休日とするという見解を見せています。暦上、1週間は日曜日に始まり土曜日に終わります。ですので、行政当局の見解に基づいて考えると、土日休みの会社であれば、土曜日が法定休日になります。

しかし、労働基準法では法定休日を特定することまでは求められていません。そのため、法定休日を特定していない会社が少なくないのです。

厚生労働省による法定休日の特定をする通達

他方で、厚生労働省は複数の通達(昭和23年5月5日基発第682号、昭和63年3月14日基発第150号ほか)で、割増賃金の計算を簡便にするためにも、就業規則等に法定休日を明確にしておくことが望ましいと示しています。

法定休日を特定する方法

 では、就業規則等で法定休日が明記されていない場合の法定休日に特定方法を、「1週間に1日」のケースと「4週間を通じて4日」のケース、それぞれ見ていきましょう。

1週の1日の法定休日の場合

 1週間に1日の法定休日を設け、土曜日と日曜日のいずれかを休みとしている場合の法定休日の考え方は以下の通りです。

■土曜日:出勤/日曜日:休日
 1週間で与えられた休日は日曜日のみです。そのため、日曜日が法定休日になります。

■土曜日:休日/日曜日:出勤
 1週間で与えられて休日は土曜日のみです。ですので、土曜日が法定休日になります。

■土曜日:出勤/日曜日:出勤
 土曜日と日曜日どちらも出勤した場合、いずれかが法定休日出勤扱いになります。厚生労働省は、平成22年4月の改正労働基準法施行前の、改正労働基準法に関する質疑応答で「暦週(日~土)の日曜日および土曜日の両方に労働した場合には、暦上の後順に位置する土曜日の労働が法定休日出勤になる」という見解を示しています。

4週間を通じて4日の法定休日の場合

 4週を通して4日の法定休日を採用する場合は、厚生労働省が次のような見解を示しています。

4週4日の休日制を採用する事業場においては、ある休日に労働させたことにより、以後4週4日の休日が確保されなくなるときは、当該休日以後の休日労働が法定休日労働となる。

 つまり、4週間で4日の休日が確保できている限り、それ以外の法定休日は発生しないとしています。

派遣社員の法定休日の特定

 派遣社員の場合は、派遣会社と派遣先企業、どちらの法定休日が適用されるのでしょうか。
 労働者派遣法第44条2項では「派遣先が使用者としての責任を負わなければならない」と定められています。
 そのため、派遣社員は派遣先企業が採用する法定休日が適用されます。

法定休日と祝日

 ここからは法定休日と祝日の関係についてお伝えいたします。

基本的に祝日は法定休日に当たらない

 基本的に祝日は法定休日には当たりません。なぜ祝日は法定休日に当たらないのでしょうか。
例えば、土曜日が法定休日、日曜日が法定外休日の会社があるとします。ある週の月曜日が祝日の場合、月・土・日の週3日が休みになります。週3日休みになっても、土曜日が法定休日である事実は変わりません。
そのため、祝日は法定休日に該当することはないのです。

例外的に祝日が法定休日になるケース

 一方で、例外的に祝日が法定休日になるケースもあります。
土曜日が法定外休日、日曜日が法定休日の会社があるとします。土曜日が祝日の週において、日曜日に緊急で出勤したとします。その週は、土曜日しか休日になりません。そのため、祝日の土曜日が法定休日になる可能性があります。

終わりに

 法定休日について理解が深まったでしょうか。
 もし、法定休日に出勤しているにも関わらず、35%割増の賃金が支払われていない場合は、不当に残業代の支払いから免れられている可能性があります。
 その場合はこちらの記事「会社と荒波を立てずに残業代を請求する方法」をお読みになり、未払い分の残業代の支払いを検討した方がよいでしょう。

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残業代請求弁護士ガイド 編集部

残業代請求に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 ぜひ残業代請求の参考にしてみてください。 悩んでいる方は一度弁護士に直接相談することをおすすめします。 今後も残業代請求に関する情報を発信して参ります。

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