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本人に代わって家族が労働基準監督署に相談しに行くことは可能?

2018年10月30日 公開
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 労働問題等に関して相談が出来る労働基準監督署。ですが、相談をすると労働基準監督署に話をしに行ったことが会社にバレる、と恐れている労働者は少なくありません。
 そのため、長時間労働で心身ともに疲れ果てる夫を見かねて、家族が代理で労働基準監督署に相談をしに行きたいと希望する方もいるのではないでしょうか。

 本記事では、本人に代わって家族が労働基準監督署に相談をしに行くことは可能なのかどうかについてお伝えいたします。

家族でも相談可能

 家族が代理で労働基準監督署に相談をすることは可能です。その際は次に挙げるものを用意しましょう。

■本人が勤務する会社名とその所在地
■本人が会社の従業員である事実を立証出来る証拠(社員証等)
■本人と代理人が、家族関係である事実が客観的に分かる健康保険証や運転免許証等の証拠
■会社の電話番号

 但し、家族が相談をしに行ったとしても労働基準監督署が会社に是正や指導等や行う可能性は低いでしょう。というのも、労働基準監督署は労働者本人の申告を基に動くためです。

申告とは

 申告とは、「会社に対して適切な指導をしてほしい」等といった要望が出す行為を指します。
 そして、労働基準法104条では、「事業所(会社)に違反する事実がある場合、労働者はその事実を労働基準監督署に申告することが出来る」と規定されています。
 この規定を見る限りでは、申告を出来るのは労働者本人のみと言えるでしょう。

家族の相談で労働基準監督署が動く場合もある

 ただ、申告でなくても家族からの相談で労働基準監督署が動く場合もあります。
 ある監督員Aさんはこのように言っています。

「電話や窓口による相談は年間120万件あります。加えて、労働基準監督署のウェブサイトに届く情報も大量です。相談者は従業員や元従業員等、様々です。そのような中で、同じ会社から同様な相談が来たり、過労死する労働者がでる危険性が高い事案だったり等は、優先的に立ち入り調査をします。」

 このAさんの話から、家族からの相談がきっかけで労働基準監督署が指導や是正を行う可能性もあるということが言えるのです。

労働基準監督署に動いてもらうコツ

 では、労働基準監督署に動いてもらうコツについてお伝えいたします。
既述した用意はもちろんのこと、事実とズレのないよう内容を本人から聞きとることが何よりも重要なポイントです。
事実と一致した内容で相談をしておけば、他の誰かが同様の相談をした場合、監督者Aさんの話にあるように労働基準監督署が動く可能性がでてくるためです。

家族からの相談でバレるのか

 家族の相談でバレることはありません。それは労働基準監督署に守秘義務があるためです。しかし、以下のようなケースでバレる場合あります。

・会社の規模が小さく相談者が予測されてしまう
・労働基準監督署に提供したデータから「あの人しかいない」と会社に勘づかれる

 もし、上記に該当し相談を躊躇する場合は、「本人が匿名で告発する」という方法もあります。告発方法については下記の記事で詳しく書かれているため併せてご覧ぐださい。

終わりに

 労働基準監督署に動いてもらうためには、やはり本人が申告することが一番の良策です。しかし、本人が相談をしに行くことを希望しないのであれば、家族が代理で相談に向かうのも一手と言えます。
 ただ、家族は申告が出来ないため動いてもらえない可能性が高いです。ですので、動いてもらえるようしっかりとした準備を揃え、事実とズレのない内容を本人から聞き取ってから労働基準監督署に向かいましょう。

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