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ビジネスマン必見!労働基準法の「残業」の定義を理解しようのアイキャッチ

ビジネスマン必見!労働基準法の「残業」の定義を理解しよう

ビジネスマン必見!労働基準法の「残業」の定義を理解しようのアイキャッチ

 どの業界でも、仕事をするうえで残業というものはつき物ですよね。ですが、あなたは本当の意味で「残業」という定義をご存知ですか?残業だと思っていなくて、普段遂行していることが、実は残業だったりするかもしれません。

 現在は様々な形の残業が存在しています。そこで、今回は残業の明確な定義を労働基準法に沿って説明していきます。

意外と知られていない残業の定義

 そもそもどこからが残業になるのかを把握していない方も多いかと思います。単純に「会社が決めた時間を越えたら残業なんじゃないの?」と思っている人も多いと思います。一般的な認識では定時と言ったら1日8時間だと思います。しかし、その一方では1日8時間に満たない会社もあるのです。

 このような背景には2つの労働時間の定義があります。

法定労働時間

 法定労働時間とは、労働基準法で決められた「1日8時間、週40時間以内」の労働時間のことを指します。基本的にこの法定労働時間を越えると残業の扱いとなります。

所定労働時間

 法定労働時間とは別で、会社は就業規則を作り出社・退社時間を決めなくてはなりません。これは労働基準法で義務化されており、所定労働時間といいます。この所定労働時間は会社で独自に定めることが出来ますが、法定労働時間以内に抑えなくてはいけません。

 1日7時間労働の会社もありますが、この場合、仮に1日8時間働いたとしても法定労働時間には収まっているので、厳密には残業とは言えません。残業代を払うかどうかは、その会社の規定によって違ってきます。

 しかし、1日8時間を超えるようであれば、それは法定労働時間を超えていますので残業代を発生させなければなりません。

割増料金になる残業代の仕組み

 こちらも意外と知られていないかもしれませんが、残業代は1時間あたりの賃金に1.25倍(25%割増)した割増の賃金を支払わなくてはいけません。例えば、1時間あたりの賃金が1,200円だとすると、残業代は1500円に割増します。

 なぜこのように、残業代は割増賃金になるのかというと2つの理由が背景にあります。

① 会社が残業代を誤魔化している

 経費を削減するために、会社は残業をなかったことにしようと様々な方法を使ってきます。例えば、給与の中にあらかじめ残業代を含むみなし残業時間制を採り入れて、労働者に長時間の残業をさせているにも関わらず、残業代を支払わないという方法です。

② 残業しないと生活できない。

 そもそもとして基本給が少なくて、残業をしないと十分な生活が出来ないような給与体系を採っている会社もあります。そのような会社は、残業が当たり前になっている傾向があります。

 一方、残業代を少しでも多く稼ごうと無駄に残業をするモンスター社員という言葉も出てきています。

中小企業はサービス残業が当たり前

 上記のような事情から、残業は大きな社会問題となっています。日本労働組合連合会の調べでは、サービス残業が一般社員だと平均月18.6時間、課長クラス以上で平均月28.0時間との調査結果が出ています。

 中小企業ほどこの数字は顕著で、サービス残業が古くからの体制として残っている場合が多いのが原因です。「今まで、みんなサービス残業をしてきたんだから自分たちもサービス残業をして当たり前」という考えがまかり通っているため、本当は未払いの残業代を請求したくても請求できずにいる方が多いのが現状です。

 しかし、残業代は労働者のとっては請求すべき当然の権利です。

残業が多い基準は月45時間

 月に何時間の残業をしていると残業が多いのかの明確な基準はありませんが、平均的な残業時間は45時間と言われています。
なので、月45時間を超える残業が数ヶ月続くようであれば、残業が多いといえるでしょう。もちろん45時間以下でも、きちんと残業代が支払われていないのであれば、それは請求するべきです。

 ですが、残業が多い会社ほど残業代を払っていないというのが現在の風潮です。これは、残業代が膨らむにつれ人件費が増え、何かしらの方法で残業代を抑えないとやりくりが出来なくなるということが原因になっています。

よくあるサービス残業

会社が残業代を抑えるために様々な残業の形をとっているため、そのことによって、あなたも何気なくサービス残業をしてしまっている可能性があります。

そこで、会社が残業代を抑えるために行っている、よくある残業ケースについて説明します。

見て見ぬふり

 サービス残業として一番よくある方法は、例えばタイムカードを定時で打刻し、その後も労働者を残業させ、それを見て見ぬふりをします。

 また、上司から残業の指示がなかったとしても、明らかに残業をしないと終わらないような仕事量を任されたり、会社の風潮で残業する流れになってしまったり、客観的に見ても残業せざるを得ない状況であれば、上司から残業を指示されたと同等の扱いになります。

持ち帰り仕事

 仕事がどうしても終わらず家に仕事を持ち帰らざるを得ない場合も残業の扱いになります。その時は、メールの履歴等、家で何時までの作業をしたのかを証明するものだったり、仕事を持ち帰らざるを得なくなった証拠があったりすれば、残業と認められます。

朝残業

 残業と言ったら、定時を過ぎた時間を働くことをいうイメージがありますが、上司から早く来て資料作成をするよう指示されて早めに出勤する場合や、朝礼があるから出社時間の30分前に出社している場合も労働時間と見なされます。その内容も考えて、法定時間を越えるようなら、それは残業しているといえる可能性があります。

研修の強制参加

 例えば休日、強制的に研修に参加させられる場合も労働時間なので、残業や休日出勤の扱いになります。これは「強制」という場合に当てはまることであって、「参加・不参加」が選べる研修で参加を選んだ場合は労働時間の扱いになりません。

固定残業代(みなし残業)

 こちらは制度の問題になりますが、実際に働いた残業とは無関係に、この時間残業したと「みなし」て固定残業代として「あらかじめ残業代は支払っている」としている会社があります。例えば、あらかじめ基本給の〇〇円分は〇〇時間分の残業代として含まれる制度のことです。

 しかし、この固定残業代には問題があって、労働者の給料が初めて支払われた後に気がついたり、何時間残業しても残業代が変わらなかったりと問題が生じてしまいます。

名ばかり管理職

 全国各地にある小規模な事業所の事務所長や、小売業や飲食業の店長などが当てはまることが多い例ですが、簡単に管理職の役職を与えるだけ与えて残業代を支払わないという「名ばかり管理職」という方法で、残業代をうまく抑える方法がとられている場合があります。

労働基準法では「管理監督者」には残業代を支払う義務はないという規定は確かにあります。しかし、この「管理監督者」に該当する労働者は経営の方針などに大きく関わるような人物のことをいうのであって、事業所の事務所長や店長は、これに当てはまらない可能性が高いです。

その結果、元々残業が多いプロジェクトリーダーや店長等の責任者が残業しても給与は変わらないという問題が生じてしまいました。

→名ばかり管理職については、こちらで詳しく説明しています。

年俸制

 前もって年間で決まった金額を12ヶ月で割って、支給していく年俸制を取り入れている会社もあります。年俸制に残業は関係ないという先入観から、残業代という概念がなく多くの残業をさせる会社もあります。しかし、年俸制であっても、「労働時間」はしっかりと管理しなければならないので、残業代もしっかりと支払わなくてはなりません。

残業が多い業種・職種ランキング

 残業が多くなりがちな業種・職種もあります。そのランキングも見ていきましょう。

残業時間が多い業種TOP10

残業時間 残業時間
(時間/月)
職種(大分類) 職種(小分類)
1位 49.1 メディア 広告
2位 40.9 メディア 新聞
3位 36.5 IT EC/ポータル/ASP
4位 36.3 小売/外食 コンビニエンスストア
5位 35.8 サービス 建設管理/安全作業
6位 35.3 IT コンサルティングルーム/シンクタンク
7位 34.7 メディア 印刷関連
8位 33.2 建設/不動産 ディベロッパー
9位 33.0 メーカー 通信/ネットワーク機器メーカー
10位 32.6 小売/外食 外食/レストラン

出典元:https://doda.jp/guide/ranking/073.html

 最近ニュースで話題にもなりましたが、1位の「広告」をはじめ、2位の「新聞」、3位の「EC・ポータルサイト」とメディア関係の業種が上位を占めました。おびただしい量の情報を分刻みのスピードで取扱うメディア業界は、時間に関係なく精力的に働いている人が多いようです。

残業時間が多い職種TOP10

残業時間 残業時間
(時間/月)
職種(大分類) 職種(小分類)
1位 53.7 クリエイティブ系 映像関連
2位 52.8 クリエイティブ系 編集、デスク
3位 51.3 建築系専門職 施工管理(ビル/マンション/商業施設)
4位 50.0 専門 コンサルタント
5位 44.8 販売サービス ドライバー・配送スタッフ
6位 44.8 クリエイティブ系 Webプロデューサ/ディレクター
7位 43.1 クリエイティブ系 グラフィックデザイナー/イラストレーター
8位 43.0 金融系専門職 投資銀行業務
9位 41.9 営業 営業(広告・メディア)
10位 41.7 クリエイティブ系 クリエイティブディレクター/アートディレクター

出典元:https://doda.jp/guide/ranking/073.html

 いちばん残業が多い職種は映像関連で、撮影現場に何日も泊まり込んで働くことが多いようです。

残業代はしっかりもらうべき

 このように業種・職種によって、残業が当たり前になっているところがありますし、労働時間が長い企業ほど何かしらの方法で残業代を抑えている可能性があります。もし残業が多いのに、残業代が支払れていない場合は、まずは自分がどれくらいの残業をしているのかを把握するのがよいかと思います。

なお、残業代の計算方法については『未払い残業代の計算方法。アナタの残業代を計算してみよう』を参考にしてみてください。

弁護士が残業代を計算してくれる

 大体の計算はこちらを読んでいただければ計算は可能ですが、いざ計算してみるとタイムカードや給与明細とにらめっこしてしまい、「この場合はどれに当てはまるんだろ?」という細かい疑問が出てくる可能性があります。

 特に「不当に支払われていない残業代が多くて残業代請求を考えている」という方は、弁護士に相談してみることをお勧めします。残業代の細かい計算から請求の手法まで相談に乗ってくれます。特殊な契約で隠れている残業代や遅延金なども見つけて計算してくれます。

 自分で残業代を計算した時よりも高額な未払い残業代が発覚するケースも多々ありますので弁護士に相談することは有効な手段といえます。

 未払い残業代の請求は過去2年(24か月)まで遡って請求することが出来ます。正確に言うと、請求した日から過去2年(24か月)まで遡って請求が出来ます。
 そのため、自分で未払い残業代の請求をしようと準備をすると、どうしても時間が掛かってしまうため、本当は24か月請求出来るところを、23か月しか請求出来なくなってしまうこともあります。
そうなってしまうと損するのはあなたなので、そうならないためにも、まずは弁護士に相談することはお勧めです。

まとめ

 いかがでしたか?残業が多いとされている現代ですが、さらに問題になっているのが正当な残業代が支払われていないことや、残業しないと生活ができないほどの基本給になってしまっている背景があります。
 しかし、そのような問題から労働者を守るために労働基準法があります。「労働基準法は役に立っていない」とまで言われてしまっていますが、しっかりとした証拠があって、知識があればこれらの問題は必ず解決できます。

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