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フレックスタイム制でも残業代は発生する!のアイキャッチ

フレックスタイム制でも残業代は発生する!

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 フレックスタイム制の会社で働いている人はこんな風に思っていませんか?

「残業し過ぎて疲れた。でもフレックスタイム制だから残業代が出ない」
「出勤がある程度自由なのはいいんだけど、残業代が出ないからなぁ…」

 このように労働者の働き方が多様化している中で、会社は従業員の能力を最大限に出させるための一環で、フレックスタイム制を導入しています。この新しい働き方は正しく理解されていなく、それが原因で「残業代は出ない」といった思い込みが労働者の間には広まっているようです。

 しかし、残業をしたのにも関わらず、その分の残業代が支払われないというのはれっきとした違法行為です。会社は見て見ぬフリをして誤魔化しているかもしれません。あるいは、フレックスタイム制は残業代を出さなくて済む制度だと勘違いしている可能性もあります。

 どちらにせよ、これは違法ですので「残業代が出ないなら仕方ない…」と諦めてはいけません。労働者は働いた分を会社に請求する権利があり、証拠さえあれば、その請求は認められ必ず残業代は戻ってきます。

 ただ問題なのが、このフレックスタイム制は、残業代や労働時間の計算方法が複雑な点です。そのため、ここではもらえるはずなのに、もらえていない残業代の請求について詳しくみていきましょう。

フレックスタイム制とは?

 そもそも、フレックスタイム制とは、労働者本人が出社時間と退社時間を自由に決めることが出来る制度です。従来の9~17時のような決まった時間の労働ではなく、通勤ラッシュを避けたり、子供の送り迎えをしたり等、労働者のライフスタイルに合わせることが出来るので自由度が高いのが特長です。

 しかし完全に自由かというと、そうではありません。社内での会議や、外部との打ち合わせ等、絶対いなければならない時間帯もあるので2種類の時間(タイム)を設けています。

コアタイム

 フレックスタイム制の中で必ず出勤していないといけない時間帯です。コアタイムの始まりの時間にいなければ遅刻扱いになり、途中で帰れば早退扱いになります。

フレキシブルタイム

 コアタイムの前後に設ける時間帯がフレキシブルタイムになり、この時間は、いつでも出退勤することが可能です。フレキシブルタイムはコアタイムの前後に設けなければいけなく、前後どちらか片方に設けることは出来ません。

よってフレックスタイム制の1日は以下のようになります。

フレックスタイム制の仕組み
出典:フレックスタイム制の適正な導入のために|東京労働局労働基準部・労働基準監督署

フレックスタイム制にも労働時間の規定がある

 フレックスタイム制では、労働時間の計算を1日単位ではなく、清算期間という単位で行います。

清算期間とは?
フレックスタイム制は、日ごとで労働時間が変動するので、長時間働く日もあれば短時間の日もあります。
そのため、1日単位での労働時間の設定が難しくなるので、週ごと、あるいは月ごとの単位で労働時間の設定をします。
この、週ごと、月ごとに労働時間の設定をする期間を清算期間と言います。

 普通の働き方だと、法定労働時間として、1日8時間、週40時間が定められていますが、フレックスタイム制でも法定労働時間(総労働時間)があります。
それが、週40時間もしくは月に〇〇時間以内の総労働時間を定めなければいけないという規定です。
この、「月に〇〇時間以内」は以下の月ごとの日数によって変動します。

月の日数 総労働時間
28日 160.0時間以内
29日 165.7時間以内
30日 171.4時間以内
31日 177.1時間以内

週の総労働時間が44時間の会社もある

 一部の会社では「特例措置対処事業所」というものに該当し、特例措置として週の法定労働時間が44時間になります。
そのため、月の法定労働時間も以下のようになります。

月の日数 総労働時間
28日 176.0時間以内
29日 182.2時間以内
30日 188.5時間以内
31日 194.8時間以内

 ちなみに、これの対象となる事業所は、以下のような業種で、常時労働者の人数が10名未満の事業所に限ります。

業種 主な内容
商業 卸売業・小売・不動産管理・出版などの商業
映画・演劇業 映画の映写・演劇などの興業
保険・衛生業 病院・診療所・保育園・老人ホームなどの社会福祉施設
接客・娯楽業 旅館・飲食店・理容室・遊園地などの接客娯楽

フレックスタイム制の残業時間の考え方

 ところで、フレックスタイム制での残業時間というと、どの時間のことを指すのか分かりづらいですよね。実はこれには、明確な決まりがあります。

清算期間内で総労働時間を超えてしまった分が残業時間になります。

そのため、たとえ1日15時間働いたとしても、それだけでは残業をしたかどうかの判断は出来ないということです。

総労働時間を超えたら残業

 例えば、以下のAさんの場合は残業をしたことにはなりません。

フレックスタイム制の会社で働いているAさん

月曜日 12時間労働
火曜日 6時間労働
水曜日 10時間労働
木曜日 4時間労働
金曜日 8時間労働
土曜日 休日
日曜日 休日
合計  40時間

この場合、Aさんは月曜日と水曜日が、労働基準法で定めている法定労働時間8時間を超えてしまっているので残業をしているように見えますが、週の合計労働時間は40時間です。

Aさんが働く会社が定めた週の総労働時間(法定労働時間)は40時間なので、この場合は残業したことにはなりません。

それに対して、以下のBさんの場合は残業したことになります。

フレックスタイム制の会社(特例措置対処事業所)で働いているBさん

月曜日 10時間労働
火曜日 8時間労働
水曜日 10時間労働
木曜日 9時間労働
金曜日 10時間労働
土曜日 休日
日曜日 休日
合計  44時間

Aさんのように12時間も働いた日はありませんが、Bさんは週の合計労働時間が47時間で、Bさんが働く会社の総労働時間44時を超えているので3時間の残業をしたことになります。

このように、AさんBさんの例から、残業したかどうかの判断基準が1日の労働時間ではなく、総労働時間を超えているかどうかということが分かるかと思います。

おさらいをすると、
[実労働時間]―[会社が定めた清算期間の総労働時間]=残業時間
ということになります。

→残業時間の計算方法はこちらで詳しく解説しています。

残業時間の繰り越しについて

 フレックスタイム制では、総労働時間を超えた(残業をした)月があったら、翌月の総労働時間を減らせば、残業代は払わなくて良いのでは?と思う人が中にはいるかもしれませんが、これは禁止されています。

 その月に総労働時間を超えたら、その月に必ず残業代を払わなくてはいけないのです。

弁護士がフレックスタイム制の残業について相談に乗ってくれる

 このようにフレックスタイム制でも残業代は発生することがあります。
もし、これを見て残業代が発生していることが分かって残業代の請求を考えている人や、残業代発生しているかどうかわからないから誰かに相談したい人等は、まず法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士ならそのことも含めて相談に乗ってくれるし、残業代の計算から請求の手続きまで、その人にあった的確なアドバイスをしてくれます。

 また、未払い残業代の請求は請求した日から過去2年(24か月)までしか遡れない時効制度があります。
そのため、退職してからでは時効が消滅して請求ができない可能性があるので早めに行動することをお勧めします。

→残業代請求の時効は2年しかない…そこで知っておいた方が良い2つのこと。

まとめ

このようにフレックスタイム制でも残業代は発生します。もし仕事量が多く、長時間の労働になりがちなのに残業代が出ないという人は、不当に残業代が支払われていない可能性が高いです。
その場合は残業代の請求を考えた方がよいです。そのためにはまず、残業代の請求をするためにこちらを見て準備をしてみましょう。

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