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残業時間を証明する「残業代アプリ」:適切な使い方を解説のアイキャッチ

残業時間を証明する「残業代アプリ」:適切な使い方を解説

残業時間を証明する「残業代アプリ」:適切な使い方を解説のアイキャッチ

画像:zangyodai-apuri1

 未払いの残業代を請求するためには、労働者側で証拠の収集が必要になります。これは、残業代を請求する際の立証責任(確固たる証拠で物事を証明する責任)が請求者=労働者にあるためです。
 多くの会社は、勤怠システムやタイムカード等で勤務時間の管理をしているため、それらが残業をした証拠となります。

しかし、勤務時間の管理を行っていない会社もあるのです。そのような会社で働いている場合、どのように残業を証明すればよいのでしょうか?
そこで証明となるものが「残業代アプリ」です。

 「残業代アプリ」がどういうものなのか、使用する上での注意点にも触れながらお伝えさせていただきます。

残業代アプリとは

 「残業代アプリ」とは、残業を証明するために開発されたアプリケーションのことです。残業代アプリは、GPSの活用で「労働者が、いつ、どこにいたのか?」を記録することが出来ます。つまり、何時から何時まで会社にいたかを把握することが出来るのです。

・GPSとは
GPSは「グローバル・ポジショニング・システム」の略で、宇宙に飛ばしている衛生を利用して、自分の現在位置を知ることが出来るシステムです。

客観的記憶が証拠になる

残業代アプリは、労働時間を把握するという意味では、タイムカードや勤怠システム等と役目は一緒になります。しかし、違いもあるのです。それは、「誰が労働時間を把握しているのか」という点です。
タイムカードと勤怠システムは会社が把握をしています。それに対し、残業代アプリで把握をしているのは労働者です。

厚生労働省が発表している「労働時間に適正な把握のために使用者(会社)が講ずべき措置に関する基準について」の指針では、労働時間の把握を、次のいずれかで行うこととされています。

使用者(会社)が自ら現認することにより確認し、記憶すること
タイムカード・ICカード等の客観的な記憶を基礎として確認し、記憶すること

で「タイムカード・ICカード等」とあるように、客観的な記憶であれば「労働時間の適正な把握」とされています。残業代アプリはGPSによって労働時間の把握をするものです。GPSは労働者が偽造したり悪用したりすることが出来ません。そのため、残業代アプリは客観的記憶となり得るものであるため、証拠として有効になります。

よって、冒頭でも少し触れましたが、会社が労働時間の把握をしていない場合に、残業代アプリは役に立つでしょう。

弁護士監修のアプリを選ぶとよい

 そんな残業代アプリですが、現在では様々な種類がリリースされています。本格的に残業代請求をしたい方に向けたアプリから、面白グッズ的な意味合いのサービスまで幅広いです。

 そのため、残業代請求のことも視野に入れた上で、アプリを利用するのであれば、弁護士監修のものを選ぶとよいでしょう。

 まず残業代アプリを開発するためには、法的な専門知識が必要です。アプリ開発会社には法的な知識はないため、弁護士の監修は必須になるのです。
 実際に弁護士が監督した残業代アプリには、「弁護士の監修により開発された法的証明力のある安心して使えるアプリです」等と表記があります。

しかし、数ある残業代アプリの中には、弁護士が監修していないものもあるのです。
そのようなアプリは、証拠にするための様々な機能が搭載していないことが考えられるでしょう。
 よって、念のために「弁護士監修」と表記のある残業代アプリを選ぶのがよいでしょう。

利用するときに注意すること

タブレッドを使う男性

 次は、一歩進んでアプリを利用する時の注意点について3つご説明させていただきます。

➀算出した残業代はあくまでも参考に過ぎない

 残業代アプリは、GPSの記録をもとに残業代を算出します。
 しかし、実際の残業代の算出は、複雑な計算がからむことが多いです。それらを残業代アプリで正確に計算出来るわけではありません。
 そのため、アプリが算出する残業代は、あくまでも参考程度であると捉えましょう。

②残業代アプリの設定はしっかりする

 労働条件は、人それぞれ違います。そのため、より正確に近い残業時間の算出をするためには、その条件に合わせた計算をしなければなりません。
残業代アプリには、労働条件を設定する機能があります。設定をすることでその労働条件に合った計算を自動ですることが出来るのです。
そのため、残業代アプリに労働条件の設定は忘れずにしておきましょう。

③特殊な勤務形態な方は利用を控えた方がよい

 残業代アプリでは、GPSで始業時刻と終業時刻は証明することで労働時間を算出します。しかし、時間で労働賃金を決めることに馴染まない管理監督者みなし労働時間制、固定残業代制等の場合は、残業代アプリはあまり適さないでしょう。
 そのため、これらのような特殊な勤務形態な方は残業代アプリの利用は控えた方がよいです。

残業代アプリに加え、複数の証拠を準備すべき

 以上の点に気を付けながら、残業代アプリを使用していけば上手く活用していけるでしょう。とはいえ、残業代アプリに頼りすぎるのもよくありません。その理由は、以下の通りです。

・残業代請求に必要な証拠全てを、残業代アプリで集めることは出来ない。
・残業代アプリでの記録を忘れることがある。
・不具合で残業代アプリが使用出来なくなる可能性がある。
・裁判になった際、残業代アプリのみでは証拠として認めてくれない可能性が高い

特に、最後の点は重要です。なぜなら、労働審判(労働者と事業主との間で起きた労働問題を迅速かつ適正な解決をするための裁判所の手続)における「労働時間」の認定は、様々な証拠による総合的な評価により決定するためです。

以上の点から、証拠を集める際は、残業代アプリだけでなく、その他の手段でも証拠収集をしておきましょう。

→残業代請求で証拠となるものは、こちらで詳しく説明をしています。

まとめ

 残業代アプリは目覚ましい進歩を遂げ、GPSを利用した客観的記憶として、残業代請求の際の証拠として役に立つまでになりました。しかし、アプリのみに頼りすぎるのはよくありません。
あくまで残業代アプリは、労働時間を証明する数あるうちの一つと捉えて、臨機応変に利用していくのがよいでしょう。

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