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残業代請求の手順を退職前と退職後に分けてご紹介のアイキャッチ

残業代請求の手順を退職前と退職後に分けてご紹介

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 退職時期が近づき、未払いの残業代は退職前と退職後、どちらのタイミングで請求するのがよいのか分からない、そんな方がいらっしゃるのではないでしょうか。「働いた分の賃金はしっかり支払ってもらう」。そんな意思をお持ちの方に向けて、残業代請求のタイミングは、退職前と退職後どちらがよいのか、についてご案内したいと思います。

残業代請求は退職前がよい

 結論から言うと、残業代請求は退職前にした方がよいです。これは、残業代請求には2年の時効があるためです。
起算点(時効のスタート時点)は給与日から2年です。そのため、2年前の給与で未払いになっている残業代については、時効消滅により請求出来ない可能性があります。

→時効についてはこちらの記事で詳しく説明をしています。

 しかし、多くの方は退職後に残業代請求を行っています。これは、在籍中に請求を行うと、退職するまで社内での居心地が悪くなることが考えられるためでしょう。

退職前の残業代請求

 では、はじめに本記事で推奨する退職前の残業代請求について触れさせていただきます。

 退職前の残業代請求については気をつけなければならないことがあります。それは請求額によって対応を変えるということです。
というのも、請求額が少ないと会社が応じてくれる可能性がありますが、請求額が多いと会社が対応してくれないことが考えられるためです。

また、退職前の請求は、会社と荒波が立つおそれがあります。そのため、細心の注意を払う必要があります。

以上の点については、こちらの記事「会社と荒波を立てずに残業代を請求する方法」で詳しく説明をしています。お読みいただくと、残業代請求に向けてするべきことが理解出来るでしょう。

退職後に残業代請求

 退職前に残業代請求をした方がよい、と前述しましたが、様々な都合により、退職後の残業代請求を余儀なくされる方も少なくないでしょう。
 そのような方に向けて、退職後の残業代請求について詳しくご説明させていただきます。

①退職前に証拠を集めておく

まず、未払い残業代を請求するためには残業をした証拠が必要です。これは、立証責任(確実な証拠で証明する責任)が請求者にあるためです。

退職後は会社に出入り出来ず証拠を集めることが難しいため、退職前に証拠を集めておきましょう。
証拠になる資料については、こちらの記事「残業代請求のために在籍中に出来る3つの準備」で詳しく説明をしています。併せてご覧ください。

②弁護士に無料で相談

 そして、退職後は会社に請求する未払い残業代の金額を確定していきます。その計算方法は、どの程度の証拠資料が手元にあるのかによって変わります。複雑な面もあるため、弁護士に相談するのが有益と言えるでしょう。

 弁護士でしたら、無料で電話相談を受けている事務所もあります。そこでなら、計算方法をはじめ、残業代請求についての細かい疑問にも答えてくれます。
 また、弁護士は、依頼者の代理人となり、内容証明郵便を利用して、会社の総務部等と残業代請求の交渉を穏便に進めてくれます

・内容証明郵便とは

「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の書類を出したのか」ということを郵便局が公的に証明する郵便です。

  1. 書類を出したこと
  2. 書類を出した日付
  3. 書類の内容

を郵便局が証明してくれます。

弁護士へ無料電話相談をする際に気をつけるポイント

 弁護士に無料で電話相談をする際には、気をつけた方がよいポイントがあります。それは、無料相談には時間制限があるという点です。
 多くの弁護士は、最初の30分は無料で相談を受けていますが、それ以降は費用がかかります。このことから、弁護士に電話をする前に、30分でスムーズに相談できるような準備をするとよいでしょう。

近くの弁護士に相談するのがよい

 電話での無料相談をすると、次いで具体的な話をするため、弁護士事務所に面談をしに行く場合もあります。それを踏まえて、電話相談はお住まい近辺の相談をするのがよいでしょう。

 また、面談であっても、最初の30分は無料で受けている弁護士事務所があります。このような事務所に行く場合、「いざ行ったら話が進まない」と無駄足になってしまわないように、証拠を準備する等して、円滑に話を進められるようにしておきましょう。

残業代請求が出来ないケース

 一方、証拠があったとしても、以下の勤務形態の場合は残業代の請求が出来ないケースがあります。

みなし労働時間制

 みなし労働時間制とは、労働時間の算出を実際に働いた時間ではなく、あらかじめ定めておいた時間を労働したものとみなす制度をいいます。
 外回りをする営業の方や、頻繁に出張する方等のように、労働時間の管理が難しい労働者に、この制度が採用されることがあります。

→みなし労働時間制についてはこちらで詳しく説明をしています。

あらかじめ定めておいた時間内の労働であれば残業代は発生しないでしょう。しかし、それを超える労働をした場合は、残業代が発生する可能性が考えられます。

裁量労働制

 裁量労働制も残業代が出ない可能性は否定出来ません。
裁量労働制とは、時間で賃金を決めることに馴染まない労働者に対し、実働時間に関わらず「労使協定(労働者と会社の間で取り決めした内容を書面化したもの)を結んで合意した時間数(所定労働時間)を1日の労働時間とみなす」制度です。
 以下に列挙する職種等に裁量労働制が採り入れられるケースが多いです。

◇プログラマー
◇コピーライター
◇システムコンサルタント
◇研究・開発職

→裁量労働制についてはこちらで詳しく説明をしています。

 但し、法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超える労働をしている場合は、残業代が出るかもしれません。

固定残業代

 給与に固定残業代が含まれている場合も、残業代が出ない可能性があります。固定残業代は、基本給の中に既に残業代が含まれていることを指します。雇用契約書等で、「月給30万円(20時間分の残業代3万円を基本給に含む)」といったように、明確な時間を記載して労働契約が結ばれています。

したがって、事前に含まれた時間分の残業しかしていないようであれば、残業代は発生しないでしょう。ですが、その時間を超えた残業に対しては、残業代が支給される可能性があります。

まとめ

 本記事では、退職後の残業代請求を中心についてお伝えしましたが、2年の時効があることから、退職前に残業代請求をした方がよいと言えます。
とはいえ、あらゆる都合により、退職前の請求が難しいという方は、本記事にならって退職後の請求に向けて準備をしていきましょう。その際は、残業代が出ない可能性がある勤務形態になっていないかも確認しておきましょう。

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編集部

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